知的散策。

函館コンクリートツアー

函館市にはコンクリートによって造られた「文化遺産」が数多く存在しています。「函館コンクリートツアー」は身近にあるコンクリート建造物と人の関係についての価値を再発見し、広めていこうという試みです。函館に住む私たちがその魅力と歴史的意義を認めることによって新たな観光コンテンツのアイディアにもつながります。函館西部地区の異国情緒ある美しい街並は景観的にも大変価値のあるものですが、日本のコンクリート文化発祥の頃から残る建物には数々の土木技術にまつわるユニークな発想や人の歴史が刻まれています。GRHABIPでは今後もコンクリート文化の発展における興味深いエピソードやそのスポットをご案内していきたいと考えています。

ツアーの見どころHakodate Concrete Tour

函館西部地区は市電沿線にたくさんのコンクリートにまつわる物語が
点在しています。ここでは電停・函館どつく前と
青柳町間の価値あるスポットを紹介します。

コンクリート遺産

  1. 1函館漁港船入澗防波堤

    近代土木の父として有名な廣井勇博士が監督技師として着工したもの。明治32年に完成し、100年以上経過した現在でも現役で機能している。

  2. 2道内初の下水道

    明治29年に函館港改修に伴い、弁天台場を取り壊し、その埋立地に設置された下水道施設。

  3. 2旧桟橋

    明治期に本州から北海道に訪れる人々がはじめて上陸する地であった。元々は木造であったが、昭和34年にコンクリート・鋼製のものに架け替えられ現在に至る。

  4. 4七財橋

    明治15年から17年にかけて造られた橋であり、現在の橋は昭和44年に改修された。七財橋の魅力的な風景は、映画のロケ地として使われており、観光地として有名である。

  5. 5夫婦電柱

    大正12年建造。現存するものでは日本最古のコンクリート電柱。火災が頻繁にあった函館で、木柱ではなく当時は稀であった角錐形のコンクリート電柱にしたという。後に建物を挟んで同形のものが造られ、「夫婦電柱」とも呼ばれている。

  6. 6東北以北最古のエレベーター

    旧丸井今井デパート建物に昭和5(1930)年オーチス社製の最新式エレベーターが取り付けられた。昭和9(1934)年に大規模な火災が発生し、建物内部が全焼した。現在のエレベーターは、火災後に取り付けられた2代目である。スタッフに頼むと載せてもらえます。

  7. 7東本願寺函館別院

    明治40年の大火により焼失後、耐火建築にて再建されることになり、大正4年日本初の鉄筋コンクリート寺院として建立された。鋼材の改修工事は行われてもRC本体は創建当時のまま。

  8. 8元町配水池

    明治22年完成の中央配水池と明治29年完成の高区配水池があり、100年以上経過したものが現在でも使われている。日本人が設計した日本最古の配水池。春は桜が楽しめるスポット。

  9. 9白川橋(函館公園)

    現役最古の観覧車、公園内の白川橋(写真)など、みどころがたくさん。
    桜の季節には花見客で賑う函館市民憩いの場所。

おすすめスポットRecommended Place

西部地区散策の途中にちょっとひと休み。
ふと立ち寄るお洒落なカフェやかわいい雑貨屋さんも、
実はコンクリートでできた建物が多いんです。

スポットを見る

  1. 1 はこだて工芸舎
    • 函館市末広町8-8 TEL/0138-22-7706
    • 営業時間/10:00~18:00 【Google map

    はこだて工芸舎

    かつての歓楽街「銀座通り」の入口に位置する旧梅津商店(はこだて工芸舎)は、茨城県常陸太田市出身の梅津福次郎さんが明治半ばに函館に来て以来、4度の火事を越えて昭和10年の時に建てた建物です。明治・大正・昭和と函館の興隆と共に梅津商店は食料品・雑貨・酒類の卸業で財を成し、発展してきました。現在はギャラリーショップとして営業しており、 函館の工芸家に加え、南北海道の地域と津軽地方に在住の工芸家の作品を展示販売のほか工芸教室も開催しています。

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  2. 2 函館市地域交流まちづくりセンター
    • 函館市末広町4番19号 TEL/ 0138-22-9700
    • [Drip Drop]営業時間/10:00~18:00(水曜定休) 【Google map

    函館市地域交流まちづくりセンター

    大正12年に丸井今井呉服店函館支店として建てられた建物です。建物内には東北以北で最も古いエレベーターが現在でも稼動しています。平成19年にリノベーションされ、NPOやボランティアなどの活動の場、市民の交流の場、地域情報の発信拠点の場として姿を変え、市民や観光客の憩いの場としても利用されています。1階にはカフェ「Drip Drop」が併設されており、「コーヒー焙煎室Handpick」の煎りたてコーヒー豆で入れたコーヒーがオススメです。さらに、函館市内の近郊のさまざまな観光パンフレットやフリーペーパーが揃っているほか、インターネットも自由に利用できます。

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  3. 3 select coffee shop peacepiece
    • 函館市末広町18-12 TEL/ 0138-22-5500
    • 営業時間/12:00~17:00(金曜定休) 【Google map

    select coffee shop peacepiece

    大正10年ごろに鉄筋コンクリートで建てられた元銀行(旧北洋相互銀行)の建物内にあった珈琲店が、銀行部分の建物が撤去された現在も営業を続けています。八幡坂の途中にあり、オリジナル焙煎のコーヒー豆をネルドリップで提供してくれます。
    写真提供/函館市公式観光情報サイト「はこぶら」

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  4. 4 ティーショップ夕日
    • 函館市船見町25-18 TEL/ 0138-85-8824
    • 営業時間/11:00~日没まで(木曜定休) 【Google map

    ティーショップ夕日

    明治18年に「函館検疫所」として建築されたこの建物を日本茶カフェとしてリノベーション。眼下には函館湾というロケーション。店名の通り、夕日を楽しめるスポットで、函館湾をはさんだ対岸にある峩朗鉱山や北海道セメント(株)上磯工場を見ることができます。

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  5. 5 Cafe&Deli MARUSEN
    • 函館市大手町5-10 ニチロビル1F TEL/ 0138-85-8545
    • 営業時間/9:00~18:00 無休(年末年始を除く) 【Google map

    Cafe&Deli MARUSEN

    昭和7年建築の旧日魯漁業(現マルハニチロ)の社屋として建てられた「ニチロビル」の1階にあるカフェ・レストラン。 「嫁に出すなら日魯の社員」という言葉があったように、かつて函館の経済の発展を語る上で欠かせない日魯漁業。 その昔、最上階にはHBC函館局と劇場があり、文化の発信地でもあったビル。 高い天井や丸みのあるデザインの窓は当時のまま残し、天井の意匠や、今も現役のスチームストーブなど、当時の面影を感じられる空間にリノベーションを施しました。

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函館湾岸コンクリートマップ

GRHABIPがピックアップした函館西部地区のコンクリート物語を散策するコースです。おもなスポットは電停から徒歩圏内にあるので、市電の一日乗車券などを利用して訪れるのも楽しいかもしれません。所要時間はそれぞれのペースによりますが半日あれば見て回ることができますよ。

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